medockコラム『腸腰筋 ➀ 』

腸腰筋とサルコペニア、フレイル

腸腰筋は上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、抗重力筋のひとつとして注目されています。腰椎から始まる『大腰筋』と、骨盤上部から始まる『腸骨筋』からなり、いずれも太ももの骨の内側につながります。この筋肉は良い姿勢を保つために使われ、自分の脚で立ち、脚を持ち上げてしっかりと歩くための役割を持ちます。

何もないところでつまずいたりすることはありませんか?
原因の一つは、腸腰筋が弱まり、脚を上げる力が不足するためなのです。
このような筋肉量の減少と筋力の低下を『サルコペニア』といい、心身が疲れやすく弱った状態(虚弱)を『フレイル』といいます。
サルコペニアは身体機能障害や転倒のリスク因子になるとされており、早くからの対策が必要です。実はサルコペニアは25~30歳から始まるといわれており、決して高齢者だけの問題ではありません。
いま、国を挙げて健康寿命(援助や介護が必要ない期間)を延ばそうという取り組みが行われています。その一つに定期的な健康診断が含まれておりますが、実は、健康診断で異常がなかった方のおよそ3%にサルコペニアの疑いがあったという報告がありました。
通常の健康診断だけではご自身がサルコペニアもしくはサルコペニア予備軍なのかを知ることが難しいのが現状です。*Geriatrics&Gerontology International 2021神戸大学医学研究科

腸腰筋は腰痛やメタボの原因にも関係しています。
大腰筋は腰椎のスタイル保持を役割としており、この筋肉が硬いと動きに制限が生じるため腰痛を引き起こすことが知られています。
また、骨盤の前傾を維持させる腸腰筋が弱まると、おなかのあたりの緊張が弱まって下腹部が突き出た形になり、その周囲に脂肪がつきやすくなります。いわゆるポッコリお腹です。
姿勢が悪くなることにより腸の動きを抑制したり、脚の血管を圧迫することで便秘や冷え性の原因にもなりますので、良い姿勢を維持する腸腰筋が重要であることが分かります。

腸腰筋を育てよう

筋肉は加齢とともに衰えていくものですが、腸腰筋は日々のトレーニングで良い状態を維持することができます。足を上げ下ろしすることで腸腰筋が伸び縮みするので、もも上げ体操は効果的なトレーニングです。立った状態でのトレーニングが難しい方は、座った状態、寝た状態でのトレーニングも十分効果があります。姿勢よく歩くことも腸腰筋のトレーニングになります。

上腕筋や腹筋と違い、腸腰筋はインナーマッスル、つまり体の中の深いところにある筋肉であるため、直接見たり触ったりすることができません。そのため、トレーニングの効果があったのかどうかの判定は難しいものでしたが、medockでは高性能CTによる腸腰筋の3D計測により、トレーニング効果を直接見て実感することができます。
筋肉が太くても中に脂肪が含まれていては質の良い筋肉とは言えません。
脂肪を除いた純粋な筋肉量を測ることができ、蓄積されたデータとの比較により質と量の評価が可能です。このようにトレーニング効果を見るのにも最適な検査です。



あまり歩かない方、猫背気味の方、原因不明の腰痛に悩んでいる方、
腸腰筋が見えるmedockの腸腰筋3D CT検査をぜひご受診ください。
今のご自身の状態を早くに知り、早くに対策を立てることで、将来の健康寿命を延ばすことにもつながります。

詳しくはこちらをご覧ください ☞ 腰痛ドック

アスリートの腸腰筋についてのコラムはこちら ☞ 『腸腰筋 ② 』

medock放射線課
放射線検査・CT・MRIなどを担当いたします。
丁寧な検査を心がけております。不安なことがございましたらいつでもお声がけください。

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